第2話

2008/07/15  CATEGORY/独り言
改めて考えてみると、
第2話は、辛い。

寝た子を起こす、というか、
治りかけた傷口に塩を塗る、というか。

ドラマを見ている人の多くは、
黒木が再び刑事として活躍する姿を期待しているだろうし、
黒木が再生していかなければ、お話は進まないのだが、
その過程を丁寧に描けば描くほど、
黒木の苦悩を見続けねばならず、
・・・やっぱり、辛いなぁ・・・。

PTSDとまではいかないが、
私も、ドロップアウトしたことがあり、それは辛い思い出だ。




私は、黒木のように、「伝説」になる才能も無く、
いや、それどころか、
自分の無能ぶりにほとほと嫌気がさして、ドロップアウトした。

精一杯やって辞めた、という人は羨ましい。
もっとやりたかった、という人も。
もしかしたら、もっと頑張らなきゃいけなかったのだろうけど、
自分には限界のような気がして、辞めた。
何1つ成果も出せず、誰のためにも、何のためにもならず、辞めた。
辞めることが世のため人のためだ、とさえ思って、辞めた。

それでも、辞めてしまったことに、いつまでも後ろ暗い気持ちがある。
家に居て専業主婦生活に入ったとき、
24時間のすべてが自分のものである生活を送っていると、
その穏やかな時間の流れ方に、心から安らいだ。
しかし、その一方で、世の中に申し訳ないような気がして仕方なかった。
買い物に行くのに、元の職場に良く似た場所の傍を通る時は、心がキリキリと痛んだし、
頑張っている後輩たちの便りを聞くと、堪らない気持ちになった。

でも、もし悔やんだとて、もう辞めなかった自分には戻れないし、
辞めなかったら自分がどうなっていたか、と思うと、体が震える。
 辞めてから20年近くなる今でも、
 当時の数々の失敗を夢に見て、うなされることがあるのに。


私には、こういう静かな穏やかな生活が向いていたのだ。
自分に向かない世界へ足を踏み入れていたのだ。
あっちの世界に居た自分が、間違いだったのだ。
そう、納得させてきた。




黒木の、
「基本、土日休みで、8時半から5時15分まで。
 こっちの世界は最高だ」

という言葉は、ただの強がりでも何でもなく、
この3年間、何度も自分に言い聞かせてきた言葉に違いない。
自分は、元々、こっちにいるべき人間だったのだ、
これこそが、自分の求めていた幸せなのだ、と。

「逃げる」ことを非難する人は多いけど、
なぜ「逃げてはいけない」のだろう?
走り続けて辛いのも、逃げて辛いのも、同じなら、
逃げて辛いほうを選んだっていいじゃないか?!

黒木さん、辛いねぇ。
貴方は、その辛さに打ち勝てるのだろうけど。
心の底深くに沈殿させたはずのものを、
ぐしゃぐしゃとかき混ぜられるなんて。

黒木の笑顔を見るたび、
貴方にはいつまでもそうして笑っていて貰いたい、と思うよ。
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